■ 不同視とは?

「左右の度数が大きく異なる眼」のことを不同視といいます。
一般的にはその差が2D以上の眼のことを指す場合が多く、メガネで矯正する際には通常のメガネとは異なる注意が必要になります。

[写真].右:S-7D、左:S-10D
左右差3Dの不同視矯正眼鏡

● 不同視のメガネ矯正

不同視をメガネで矯正する際、左右の眼底像の大きさが異なる「不等像視」が生じることがあります。
ただ、これは実際のところ、検査時の装用テストにおいて慣れられそうであれば、大きな問題にはなりません。

一番の問題は「上下プリズム誤差」です。

レンズの光学中心より外れたところでものを見るとプリズム作用が生じます。
左右が同じくらいの度数であれば、プリズム作用も同じくらいに生じるので問題になることは少ないのですが、左右の度数が異なる場合には各々のレンズで生じるプリズム作用が違ってくるためにズレが生まれてしまい、見えづらさや疲れ等を感じます。
これが不同視をメガネで矯正する際の一番大きな難点です。

● 不同視メガネの問題解決には

不同視の矯正には、次のような点に留意してメガネを作る必要があります。

・ なるべく左右の垂直方向における度数差を少なくした処方を心がける。
ただし、相当な不同視でも問題なく使える場合も多いので、やみくもに度数を下げれば良いというものではない。

・ 遠見、近見共に、両眼で融像ができているかどうか、同時視がなされているかどうかのチェック。

・ 不同視眼において比較的多い、生理的上下斜位の測定、および、光学的な上下斜位を極力排除するレイアウトによるメガネ作製。

・ まつ毛がレンズに接触しない程度に角膜頂点間距離(目とレンズとの距離)を短くする等、上下プリズム誤差や不等像を軽減するフィッティング。

・ 左右ともに遠見に同じくらいの視力になるよう矯正したメガネになじまない場合は、強度側の度数を弱めることで左右での垂直方向の度数差を減らし、近くを見やすくするモノビジョン処方が有効な場合もあります。(人によっては適さないこともあります)

・ メガネのレンズを上げたり下げたりできる可動式鼻パッドの「VCパッド」を使用することで遠方視、近方視ごとに視線を移した際に生じる上下プリズム誤差を軽減。


[1. VCパッドを下げた状態]


[2. VCパッドを上げた状態]

● 不同視メガネに適したメガネフレームとは?

1. 枠のフロント部の上下幅は狭めのフレーム。

不同視で縦に深い枠を使うとレンズの光学中心から上か下にかなり寄ったところで物を見がちになり、不同視矯正眼鏡で一番の問題になる上下プリズム誤差が大きくなってしまいます。

2. VCパッドをつけてクリングスの箱の間隔が広くなった場合に、クリングスがレンズ裏の鼻側を邪魔して拭き残しができてしまうということがないように、フロント部の天地中央での鼻幅が20mm以上あるフレーム。

3. VCパッドをつけるためにクリングスを広げた場合でも、クリングスがレンズを拭くのを邪魔しないよう、クリングスはスネーク型ではなく、U字型のフレーム。

この3つの条件に合致するのが、以下のフレームです


パラボラス 46□28


フォートレス 46□30


ウラヌス 58□18

バデック 58□18


シーパ 56□18


ロンバルド 60□16


コラッジオ 44□24


ゼリッジ 57□17


グラッツィア 44□24


ガウディオ 44□24


フレイザー 43□25


メダ 46□24


プラグナー 46□26


アダマント 42□26


レオポルド 43□22


ユニオス 43□22


ザポ 42□28

 

当店は、不同視を矯正するメガネについて研究し、その矯正に好適なメガネを

提供している

「不同視メガネ研究会」の会員です